日本の住宅構造で多く用いられている「軽量鉄骨造り」。
今回も引き続き、その特徴についてみていきます。
軽量鉄骨造り(S造り)は、木造に比べると建築費用が高くなりますが、
耐震性・耐火性において優れており、木造に必要な白アリ防除の施工もいりません。
そして、短い工期で建てることができる点がメリットです。
いっぽう、どれくらいの期間住むことができるのか?というのも
重要なポイントとなります。
これを考えるときに出てくるキーワードとして
「耐久年数」と「耐用年数」という二つの言葉があります。
① 耐久年数・・住宅メーカーなどが独自におこなう調査で判断される目安。
② 耐用年数・・国税庁が定める減価償却資産の資産価値を計算する法的な目安。
似たような言葉なので、つい混同してしまいそうになりますが、
こうした違いがあります。
法的耐用年数は、軽量鉄骨造り(S造り)は
鉄筋コンクリート造り(RC造り)と木造のあいだぐらいに位置しています。
鉄筋コンクリート(RC造り)・・・・・47年
重量鉄骨造り(S造り)6mm以上・・・34年
軽量鉄骨造り(S造り)3mm~4mm・・27年
軽量鉄骨造り(S造り)3mm未満・・・19年
木造(W造り)・・・・・・・・・・・・22年
ここから考えられるメリットとして、
RC造りと比べると
① 固定資産税を安く抑えることができる
② 修繕費・解体費が低費用で済む。
③ 節税目的での減価償却費を多くとることができる。
などが考えられます。
軽量鉄骨は法定耐用年数が短いので、そのぶん減価償却費を多く計上することができます。
また、低階層の住宅に適した構造となっているため、エレベーターのない物件が多く、
修繕費や、解体費などのコストも安く出おさえることができます。
出口戦略も取りやすい構造物といえるでしょう。